28. 指揮者紹介④~南條幸熙~

2019年02月26日

みなさん、はじめまして!
 上越教育大学大学院芸術系教育実践コース (音楽) 1年の南條幸熙 (なんじょうこうき) です。新潟県学生ウインアンサンブル(以下、学生ウインド)への参加は今年で5年目、指揮も5年目となりました。ここまでくると周りは後輩だらけで、若い子たちに負けてられない! という風に気を引き締めて参加しています。

 上の写真でテューバを吹いている人が僕ですが、なんと今年は初めて......、

打楽器で参加します! 僕のことを知っている方は大変驚くだろうと思います。笑
大学院で吹奏楽の研究をしていることもあり、管楽器の僕からしたら未知なる打楽器についてもっと知っておきたい! との思いで演奏しています。いつもよりフレッシュな気持ちで演奏したいと思います!
 それでは、僕が担当する2曲を紹介いたします!

《希望の彼方へ》

作曲:フィリップ・スパーク

 《宇宙の音楽》や《ドラゴンの年》で有名な吹奏楽界の巨匠、フィリップ・スパークの作品です。原題は、『Looking Up, Moving On』 となっていて、「さぁ元気を出して、前に進もう!」という意味が込められています。

 この曲は元々、日本のプロ吹奏楽団である東京佼成ウインドオーケストラが2012年に行った全国ツアーのために作曲された曲でした。ツアー先に東日本大震災の被災地が多く含まれていることを知ったスパークは、このような災害を克服して、明るい未来に向かって前向きに進む人類の力強さをテーマに作曲を進めました。

 実は、スパークは震災の直後に《陽はまた昇る》という曲を発表し、その印税・収益を全額日本に寄付しています。なんと第18回学生ウインドが演奏会で取り上げています。僕にとってはとても懐かしい曲です。

第18回学生ウインドによる演奏


 そして、なんとスパークは、《希望の彼方に》の中間部に、この《陽はまた昇る》の冒頭をそのまま引用しているのです! これには本当に驚きました。曲の前半はスリリングで軽快な変拍子を交えながら進むのですが、中間部でがらりと表情が変わり、アルトサックスのソロの旋律が流れ......、それはもう感動せずにはいられません!間違いなく聞きどころです。

 しかしながら、スパークの曲はどの曲も非常に技巧的で、今回の演奏会の中でも群を抜いて難易度が高いのも事実。メンバー一同、めちゃくちゃ苦戦しております。笑
 果たしてこの難曲を仕上げられるのか......、乞うご期待ください!


《魔女と聖人》

 続いて紹介する曲は、演奏会の第三部の中で唯一の吹奏楽オリジナル曲である《魔女と聖人》です。
 この曲は、ドイツに実在した双子の姉妹であるヘレナとシビラの生涯を基に作曲された曲です。その物語を少し紹介したいと思います。


 ヘレナとシビラは1588年にドイツで生まれました。当時、双子が生まれるということは不吉であり、悪い前兆を示すものでした。さらに、この姉妹は双子ということだけでなく、なんと未来を予知する能力を幼いころから発揮していたのです。そして、2人は全く違う人生を歩み始めるのです。

 シビラは家で育ちました。村の人たちは彼女の能力にすぐに気づき、魔女として嫌われるようになりました。そのためシビラはいじめられ、村から敬遠されながら過ごすことになります。
 ヘレナは修道院で修道女として育てられました。修道院では未来を予知する能力は人々から尊敬され、聖者や賢者として敬われるようになりました。
 その後、大人になったシビラは助産師として働きますが、結局魔女であると非難され、監獄へ送られてしまいます。それを知ったヘレナは、シビラを助け出すために生まれ育った街へ戻ります。
 ヘレナはシビラを牢獄から助け出すことに成功し、命からがら森に逃げ込みますが再び捕らえられてしまいます。その時、ヘレナは村の人たちが怒りや憎しみのあまり2人を殺そうとする未来が見えたのです。村人たちを恐れることはもちろんですが、ヘレナは聖者としての誇りを持ったまま死ぬことを決意し、その場で毒を飲みシビラの腕の中で息絶えます。
 世界で唯一信じることができ、唯一愛していたヘレナが自分のせいで死んでしまい、シビラは悲しみに打ちひしがれてしまいます。ヘレナのことを埋葬したシビラは、魔女として知られていない地を求めて村を去りました。その後、シビラを見た人はいなかったそうです......。


......ということで、なかなかに悲しく寂しいストーリーでしたね(^-^;
このストーリーを知ってから曲を聴くと、姉妹のキャラクターが明確に表現されていることがわかります。


 この曲の作曲者であるスティーヴン・ライニキー(Steven Reineke, 1970~)はアメリカの作曲者で、《セドナ序曲》や《鷲の舞うところ》など、親しみやすい曲調と取り組みやすい難易度が作風のため、世界中の吹奏楽団体が取り上げている作曲家です。

Steven Reineke, 1970~
Photo : Michael Tammaro

https://www.peterthrom.com/artist.php?id=stevenreineke


......意外と若い!(笑)

 《魔女と聖人》はGrade 4となっていて、少々難易度が難しかったり、曲想の変化が他の
ライニキ―の曲より複雑であったりと、やりがいのある作品となっています!
 学生ウインドではどのような演奏になるのか楽しみですね!


曲紹介も一緒にしてしまいました! 長くなってしまいすみません……(^ ^; )


~本番まであと3日~

お知らせ

 第21回新潟県学生ウインドアンサンブル演奏会
  日時:2019年3月2日(土)
  会場:長岡リリックホール
  入場無料

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